Small Notes of Togo (旧PDP at Musashi)

武蔵大学の教員のノートです。パラレル・ディグリー・プログラム(PDP)に関する情報提供や質問への回答も行いますが、他の事柄についてもコメントします。なお、このブログは武蔵大学の公式なものではなく、個人的なブログです。ご質問などはtogoアットマークcc.musashi.ac.jpまでお寄せください。

PDPの留学

昨日はLSEに留学する学生さんの話を書きましたが、今日はシンガポールに留学する学生さんの話を書きたいと思います。

実は1期生でFirst Class Honour(成績優秀者)で卒業する学生さんは、シンガポールへの留学についても第1期生なんです。彼女は入学した時から留学の希望がありましたので、ロンドン大学に相談したりして留学先を見つけてきました。

シンガポールにはSingapore Institute of Management (SIM)という学校があって、そこは長い間ロンドン大学のプログラムを教えています。毎年、奨学金付きでイギリスの有名な大学院(例えばLSEやOxford)に10人くらい留学するような学校です。彼女はそこに3年生の時に留学しました。

PDPの学生さんがSIMに留学すると、同じロンドン大学のプログラムをシンガポールで勉強するので、場所を変えるだけで科目の中身は変わらずに勉強ができます。

日本の大学の協定留学では、先方の大学に行ってはじめて授業科目のレベルの差に驚いたり、内容の違いにとまどうケースが少なくないと思います。しかし、PDPからSIMへの留学ではそのようなことは起こらないのです。

以前も紹介したかもしれませんが、PDPから初めての留学生だったので、私も心配になり、シンガポールまで彼女の安否の確認に行きました。そこで会うなり、彼女から言われた言葉が今でも頭に残っています。「先生、日本の大学生、平気ですか?ここの学生は私より優秀なのに、私より勉強していますよ。」

皆さんはご存じかどうかわかりませんが、シンガポールの一人当たり所得はとっくの昔に日本を抜いています。大学生の勉強に対する意欲、大学で身に着けた知識を世の中で活かそうという心構え、あと、競争を恐れない心意気も所得上昇の重要な要因だと私は考えています(実証分析したわけではありませんが)。

彼女の後、2期生は1人、3期生は2人、SIMで学んでいます。高成長を遂げるアジアの中心で、いろいろなことを考え、学び、人生の肥やしにしてもらいたいと思います。