Small Notes of Togo (旧PDP at Musashi)

武蔵大学の教員のノートです。パラレル・ディグリー・プログラム(PDP)に関する情報提供や質問への回答も行いますが、他の事柄についてもコメントします。なお、このブログは武蔵大学の公式なものではなく、個人的なブログです。ご質問などはtogoアットマークcc.musashi.ac.jpまでお寄せください。

PDPの目的

PDPの目的って、「武蔵大学の受験者獲得のためでしょ」とか、「武蔵大学知名度をあげるためでしょ」とか言われることがありますが、結果的にそういうことが起こることはあっても、それを意図したものではありません。「一人でも多くの学生にグローバル・スタンダードの経済学、経営学の知識を習得してもらう」というのが我々の目的です。

私はかねてから日本の大学生ってもったいないなと思っていました。高校までの教育はかなりしっかりしているのに、大学で勉強しない人が多いので、世の中に出て十分に能力を発揮できていないのではないか、と。

日本の高校教育の質の低下がよく話題にのぼりますけど、数学の基礎的な知識とか地理の知識とかは世界的にみてもかなり高い水準だと思います。英語だって基礎的な文法は理解している人が多いと思います。PISAの結果をみればよくわかります。

その一方で、海外では高校までの教育は日本より劣っていても、大学生はその分を取り返すほど一生懸命勉強して、英語を母国語としない人でも多くの人が英語を話し、大学で学んだ知識を携えてグローバルなビジネス社会で競争している。

もし、日本の高校生が大学でもきちんと勉強したら、彼らと十分に競争できることは明らかです。

PDPではロンドン大学の多くのプログラムのうち、専門教育はBSc in Economics and Management(経済経営学の学士号)を取得できるプログラムを提供しています。ロンドン大学はいくつものCollegeや研究所によって構成される大学ですが、経済学や経営学で世界的にもランクの高いLondon School of Economics and Political Science (LSE)がLead collegeとしてBSc in Economics and Managementの科目を決め、教える内容について定めています。試験もLSEが作り、採点を行っています。

PDPではこのプログラムを日本の学生のレベルに合わせ、理解が深まるように、必要であれば教える内容をさらに噛み砕き、教育しています。

 

(参考資料)

国立教育政策研究所OECD生徒の学習到達度調査(PISA

www.nier.go.jp